メンバー詳細

2022年度 理事長所信

公益社団法人豊橋青年会議所 2022年度

第71代理事長  伊藤 皓


〜 未来への躍動 〜

 

 

 

 

 

響 ~未来への躍動~

1951年、戦後間もない荒廃の中、日本経済の正しい発展と世界平和の実現にいささかなりとも寄与する処あらんと企図し、志高き青年たちの手によって豊橋青年会議所は産声を上げました。そして、創立以来絶えることなく混沌という未知の可能性を切り拓き、時代とともに変わりゆく地域社会の未来を常に見据え、その歩みを進めてまいりました。70周年を迎えた昨年度は「2010年代運動指針」というグランドビジョンをもとに、一年一年積み重ねられた時流を読みつつも、未曽有の天災やテクノロジーの飛躍的な発展、また新型コロナウイルスの蔓延と、10年前には全く予想もできない経過を辿りながらも、これまでの運動を総括しました。そして、日常生活の価値観や働くことの在り方について、ルール変更が余儀なくされた社会において、まさに混沌とした未来を見据え、私たちが「こうありたい」と願う地域社会や市民の在り方、そして青年会議所として果たすべき使命が何であるのかを活動の羅針盤に据えて、2020年代運動指針として発表しました。そこに根付くものは「まちづくり」として地域社会に潜む課題を模索し、解決するビジョンを市民へと伝播することで運動を展開するとともに、若者らしい大胆な視点としなやかな行動を以って、議論を重ね自己を研鑽することで「ひとづくり」が成されることが、これまでこの地域に数多のリーダーを輩出し続けてきた「不連続の連続」の歴史であり、我々の価値なのであります。
新型コロナウイルスと共存する「ウィズコロナ」の時代が始まった新現代の黎明期を迎える2022年、感染対策を前提とした社会が日常化される流れはより加速し続けていくことでしょう。そして、次に訪れる「アフターコロナ」の時代では、新しい生活様式の普及と相まって、コロナショック以前の世の中とは全く異なる社会に変容していくはずであります。新技術の発展に伴い徐々に訪れてくるであろうと思われた社会の様々な変化がこの機に加速度的に進もうとしています。まさに人類が経験したことのない速度感で、世の中が変革をしようとしています。今こそ我々は、この時代の移り変わりに触れ、肌で感じながらアフターコロナの時代を見据えて適応し、青年会議所活動の可能性を発露するときなのだと考えます。いつ収束するのか分からない不安定な社会情勢に起因する不安からの解放こそが市民の望みであるならば、市民意識変革団体としての側面を持つ我々青年会議所の運動こそが、いま社会に求められているのだと考えます。だからこそ我々JAYCEEは、時代の潮流に乗ることはもとより、次代を担うリーダーとして、責任世代のリーダーとして、未来を俯瞰的に見据える高い視座と、混沌とする未知なる可能性を切り拓くための運動をひとに、まちに、くにへと響かせていかなければならないのです。そして、その成果として市民の意識をポジティブチェンジさせ、市民の明るさを取り戻さなければなりません。それこそが豊橋青年会議所の使命なのであります。

 

新たなまちづくりのテーマ

人が集うことで推進されてきた、賑わい、活性化を目指す「まちづくり」は、新型コロナウイルス感染症拡大によって岐路に立たされています。まちづくり運動の主体はそこに住まう市民の力によって成し得られるわけですが、このコロナ禍にあって社会や世界は驚くほど変わりました。これまでのやり方やルールは過去のものになり、常識は非常識になってしまったのかもしれません。それでも、市民協働によるまちづくり運動を標榜する団体である我々は、2010年代運動指針が指し示した「共生」を求める社会の、その先をどのようにデザインしていくのかを検討することが急務であると考えます。
近年の豊橋市ひいては日本を取り巻く環境としては人口減少局面へと移行し、地方創生の観点から豊橋市行政においては「第6次豊橋市総合計画」が始動され、未来を担う「人を育む」ことを土台としてアクションプランが示されました。新型コロナ感染症拡大に伴い経済への深刻な影響を受けながらも、科学技術の進展は新たな生活様式を生み出し、ビジネスにおける在宅勤務やリモート・コミュニケーションは相当程度普及し、人々の意識が大きく変わったことは間違いありません。だからこそ、就職や就学に伴う人口移動による人口減少の問題は未だ解決には至らなくとも、人の往来が盛んな交通の要衝として長く続く当地の歴史を踏まえつつも、新たな人の賑わいを創出することが課題であると考えます。
また、安全で安心して暮らすことができる新しい社会をどのように実現していくのかといった基盤づくりとともに、暮らしやすい都市環境をどのよう整備するのか。全国的に見ても総務省が作成した『令和2年度「関係人口創出・拡大事業」』に見られる通り、地域と関わる関係人口が、地域活性化につながるという示唆に富む記述もあります。これまでの観光資源や自然と風土、経済をただ単に生かすまちづくりではない、向こう10年議論となる新たな施策を提言することで、市民全体を巻きこむ議論を起こしたい。そして、中長期的な視座を持って、JCらしい、若者らしい「まちづくりへのテーマ」を掲げていくことを目指してまいります。市民全体を巻き込む議論から、まちの賑わいを創出することを一年かけて目指し、その先にローカルな魅力に溢れ、グローバルにファンが増えるまちづくりを展開してまいります。豊橋市の10年先の未来を想像し、誰もが夢を描けるまちを創り上げていこう。

 

多様性と地域コミュニティの在り方

新しい生活様式の定着が進み三密を避けることが当たり前の社会において、「パーソナルなスペース」をいかに確保するのかが急務となっています。コロナ禍にあっては働き方の事態も一変し、これまで全くと言っていいほど進まなかったテレワークやリモートワークが劇的に定着され「人と会う」ことの意味がいちいち問われる世の中が到来しました。これらは同時に都会の求心力が失われることも意味しており、地方回帰は幻とはいえ、地勢としての潜在価値はどの地域にも負けないこのまちにとってまたとない好機をもたらすものであると考えます。我がまち豊橋は、豊かな自然や風土のみならず、城下町から連なる地域の人々が先達から連綿と受け継いできた伝統に付加価値があります。つまりは、祭礼を中心とした地域コミュニティ形成が特性であり“町内”は地域の意思決定のみならず、豊橋というまちの在り方を示しております。このつながりは、地域の防災活動や防犯活動をはじめ、まちの安心・安全にも直結する大きなつながりとして捉えなければならないのです。
そのような中において、少子高齢化、核家族化という社会構造の変化や生活形態の変化、そして新しい生活様式の定着によって、多くのコミュニティにおける伝統や文化の継続に困難が生じる地域を形成しつつあります。更には外国人や高齢者、障害者との共生社会の実現が求められる昨今において、そこに住まう人々が協働し、共創を強く意識しながら新しい地域コミュニティの在り方を描いていかなければならないと考えます。つまりは「人とつながる」ことの真の意味が問われる世の中が到来するのであります。
男女雇用機会均等法をきっかけのひとつとして、我が国でも使用されるようになった「多様性」という言葉は、人種や言語だけでなく、価値観、ジェンダー、信仰、世代などを含意しています。多様性を語る際には、差異や違いを互いに理解し、尊重することが肝要である、と考えられていますが、その先の目的は「新たな価値の創出」であり、手と手を取り合うことの難しさをどう解決していくのかだと考えます。そこで、近年の凄まじいテクノロジーの発展を軸にまちの価値を高める可能性を視野に入れつつ、デジタルにできることはデジタルでやる、そして人間にしかできないことは人間がやるという大原則のもと、アフターコロナ時代を見据え、世の中における人のつながりを構築してまいります。当たり前だったことが、どれほど貴重なことであったのか、を痛いほど感じることができる今だからこそ、人と人との心を紡ぎ合わせることで誰一人見捨てることのない地域を創り上げていこう。

 

豊橋の未来人育成と親世代に向けた未来人育成の視点

地域の未来を形作るのはこの地域に住まう子供たちや若者であることは言うまでもありません。コロナ禍にあってリモート・コミュニケーションの浸透により「一斉」「一律」の時代から「個々」への時代の転換は、より加速度的に進むと考えられます。その結果、個人の持つ能力は浮き彫りとなり、それぞれが持つ表現力、創造力、判断力はこれまで以上に求められることになっていくことでしょう。学校教育の場面においても、皆一緒に仲良く、元気よくのシステムを支えてきた「一斉」にという大前提が崩れることで、「個々人」を支援するシステムこそが、今後社会への影響力を持つことが予測されます。
では、そんな時代を生きる子供たちは、何をお手本に“世の中での生き方”を学ぶのでしょうか。と考えたときに、差異あれども最も多くの時間を共有するのは「両親」であることは間違いないでしょう。とどのつまり、未来は子供たちや若者の中にあるように見えて、実は我々責任世代の中にこそ、地域の将来像が隠されているのかもしれません。だとすれば、我々責任世代が、教育を学校に一任するのではなく、子供たちが等しく将来の夢を描き、その実現に向けて努力のできる環境を模索するとともに、どのような未来が待ち受けているのだとしても、未来の責任世代となる彼らに対して、育むべき心のあり様を提示し、彼らの学びや成長を支援していくことが求められるのだと考えます。
文部科学省が定める新学習指導要領「生きる力」では、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」「学びに向かう力、人間性」の3つの柱が軸となっています。社会の多様化や技術革新のスピード感に抗わず、子供たちの在り方が「前向きな姿勢で取り組むことのできる次世代の人材の創出」に重きを置かれた中、我々青年会議所にできる世代教育の観点で、我々にしかできない地域教育の観点で、そして何より家庭教育への支援において、ビジネス・経済・政治・国家・国際といった感性を『公』の立場においてどのように早期から育めばよいのか。そして何より、画面越しにつながれる時代において、どれだけ多くのリアルな体験を提供できるのか、リアルの価値を伝えることができるのか。我々は喫緊の課題として模索する必要性に迫られているのかもしれません。
そこで、家庭や学校と協働し、子供たちとともに自らが住まうまちの在り様に触れ、まちの仕組みを知ることから真の地域愛や郷土愛を形成していくことを次世代教育の軸に据えて運動を展開します。そして、正しい知識から主体的に世の中の仕組みに触れることで、豊橋に住まう人としての健全な心の意識変化を呼び起こし、公共の担い手としてまちの将来に向けた前向きな行動を促してまいります。このまちに住まう多くの市民が、そして将来を担う子供達や若者が、自身の課題や地域の課題を他人任せにすることなく、主体的にまちづくりと地域活性に飛び込める最高の自立スパイラルを形成し、我がまちのすべての人が輝きに満ちていくような環境を創り上げていこう。

 

響きあう組織を目指して

1951年の創立以来、会員募集事業はまさしく先達から連綿と紡がれてきた運動のひとつであり、この運動を通じて私たちはこの組織に所属し、仲間とともに議論を重ね自己を磨いてまいりました。人口減少社会において、会員数の減少は組織存続の危機でもありますが、このような先行きの見えない社会だからこそ、豊橋の未来を真剣に考え、豊橋のために行動できる市民を一人でも多く増やすことこそが、求められているのです。
そしてより多くの人材を同志として迎え入れることは、私たちの運動は市民に向けてより大きな発信となり、まちへの躍動感をもたらします。何より、まだ見ぬ仲間との出会いは、私たちの人生を大きく変える可能性があるからこそ、より多くの繋がりや仲間を増やしていくことは、魅力ある人生のための投資であると同時に、新たに加わる仲間にとっても魅力であると言えます。人との出会いは、人生を豊かにします。そして、地域に与えるインパクトをより大きなものにすることができるでしょう。
先人から受け継ぎ、また私たちが育んできた英知と勇気と情熱は、志高く自身を鼓舞するだけでなく、まだ見ぬ仲間の人生を変え、人生を懸けて情熱を注ぐ「なにか」を見つけるきっかけにもなります。だからこそ、私たち会員一人ひとりが未来のまちづくりを見据え、豊橋青年会議所という組織のありたい姿を描き、会員募集事業に取り組まなければならないのです。そこで肝要となるのが、誰か一人の特定の人や機関、リーダーが提示した正解を目指していく統制型のマネジメントではなく、百人が百の理想を持ってともに創り上げるフラットなオープン型のマネジメントであり、個性が生き生きと協和する社会をこの組織から先駆けて提示していきましょう。その結果、多様な人材を同志として迎え入れ、対話を通じて多様な個性を受容し、青年会議所の魅力を市民に、地域に響かせていこう。

 

市民に響く広報の在り様と、LOMの在り様

現在、情報発信においてデジタルツールは代えの効かないものとなりました。個人としても企業としても、自身やモノを広める「仕組みの構築」や「らしさ」「ありかた」を構築するための最重要ツールとして使用され、誰しもが自身の得意分野や情熱を活かし、誰にでもチャンスをもたらす、自己実現を目指すツールであると考えます。それと同時に、食べログなどの「クチコミ」という古き良き文化は、時代のデジタル化によって形を変え、古くして新しきの代表例としても挙げられるように、形を変えても本質は変わらないのだと感じます。
青年会議所は社会実験を通じて市民の意識を変革し、ひと、まちを変える団体です。私たちの発信する運動は、市民に届いてこそ、初めて価値を持ちます。市民へ向けた発信は、全ての運動における基盤であり、私たちの運動に最大限の成果をもたらすためには、相手を意識した発信が肝要であります。また、目まぐるしく発信される様々な情報に埋もれない力強い発信ができるよう、意識的な広報を確立してまいります。また、LOM内においても、一人ひとりが情報発信の有用性を主体的に捉え、一人ひとりが自己実現の学びを得られることで、青年会議所はより魅力的な組織になれると考えます。そして、私たちが今後どのような運動を展開するのかを全会員で共有し、主体的に議論を重ね、自分事として市民に向けて一人ひとりが「広報」できるようにならねばなりません。
さらに、私たち一人ひとりが当事者意識を持って活動を行っていくためにも、2022年度の運動をより大きなものとする創造性を養うことが肝要です。また、LOM内の活性を促しつつも俯瞰的な目線をもって未来へと続く運動の方向性を見定め、組織と真摯に向き合うことで議決権を行使する意義を理解し、より積極的な豊橋青年会議所活動への参画を促していこう。

 

LOMの躍動

VUCAともいわれる不確実で先行きの見えない視界不良な社会においては、経験を積んだ優秀なリーダーですら、将来を見通し、明確なゴールを指し示すことが困難になっています。これまでの経験則が通じない社会においては、誰かに引っ張ってもらうのを期待するのではなく、組織に所属する一人ひとりが対話を通じて自身の役割を理解し、自らの権限によらないリーダーシップを発揮してこそ、多様性を活かしたチーム作りが成され、組織をより高みへと導くと考えます。豊橋青年会議所においては、多種多様な人材が議論を通じてお互いを高め合う修練、高めた自身の力を社会に還元する奉仕、それらを通じて築かれる友情という三信条のもと、創立以来多方面に数多のリーダーを輩出してきた大人の学び舎であります。この唯一無二な組織を、次世代へと紡ぐためにも、私たち一人ひとりがリーダーシップを発揮し、不確実な時代をたくましく乗りこなし、地域に燦然と輝く組織にしていきたい。その上で、会員一人ひとりが役割を担い、俯瞰的な目線をもって会議体を円滑に運営していくのに必要なものは明確なビジョンとルールです。組織としての明確なビジョンを全会員で共有しつつ、決められたルールに則って青年会議所の運動を追求し、若者らしい創造性を発揮することで、市民の意識変革を起こしていきたいと考えています。さらに、時代の流れとともに組織の在り方を考え、先進的かつ俯瞰的な目線をもって運営をすることで、しなやかで躍動感のある組織づくりが可能になると考えます。
そのためにも、会議運営がスムーズに運べるようルールに則って上程されたかを確認し、青年会議所として地域に発信できる運動であるかを俯瞰的な目線で確認を行います。そして、より効果的な運動を展開するために公益社団法人として会計基準を遵守し、適切な予算計画と決算報告をもって、全会員の付託と信頼を得られる組織づくりを行う。さらに、ともに変化を起こす外部との連携はもとより、市民に向けての運動の発信について、適正にルールを遵守できているかをチェックすることで、より円滑なる運動に導いていきたい。また、LOM内のコミュニケーションや結束力の強化に注力し、一人ひとりがリーダーとしての意識を主体的に育むことで、運動の根幹であるLOMの躍動感を描いていきたい。今の社会情勢により、対話、調和が対面で行いづらく従来の関係性の構築が難しくなってきています。その中でも、先進的な目線で関係性を構築し、より効果的な運動へと繋げる組織にしていきたい。生まれながらのリーダーはこの世に存在しない。だからこそ、私たちJAYCEEは青年会議所という組織と真摯に向き合い、お互いを高め合おう。

 

終わりに

私は、
自分自身を、高めたい
身近な人を、幸せにしたい
多くの人を、笑顔にしたい
より創造性溢れるまちに、したい

私の人生を変えることになるこの組織に33歳で入会する以前から変わらないアイデンティティであり、私が青年会議所活動に取り組んできた理由であり、今も譲れない想いです。

私は自身を磨き、高めることが、「身近な人を幸せに、多くの人を笑顔にする」ただひとつの方法だと考え、沢山の同志に支えられながら青年会議所道に邁進してまいりました。譲れない想いこそが自分の使命だと信じて。

闇雲に未来を見据えるのではなく、先の見えない今こそ、社会課題に注視し、未来への予測を立てることで、ひとが、まちが、くにが躍動する姿を大胆に描こう。そして、若者らしく限りなく大きな水滴を、より高く、より最速のスピードで落とすことによって大きな波紋を創り出し、ひとへ、まちへ、くにへと私たちの生きる意味を響きわたらせよう。

さあ、声高らかに叫ぼう。
「世界を変えるのは、私たちJAYCEEだ!!」