理事長所信

2018年度 理事長所信

公益社団法人豊橋青年会議所 2018年度

第67代理事長  神谷 東樹

 

笑顔が響きあうまちへの燈火となる

 

誰かの光になる。その想いが志となりまちを照らす燈火となる。

 

 

はじめに

私たちは何のためにまちづくりを行っているのでしょうか。それを知るにはまず、自分自身の想いの原点を探すことが必要になります。自分は何のために生きるのか。自らに問いかけると、そこには自分ではない大切な人の顔があるのではないでしょうか。人は誰かのためを想うとき、本気になります。そして、大切な人を想う行動は、その人に対してだけでは終わりません。大切な人が住み暮らすまちに、国に、世界に、自分も貢献したいという行動も、大切な人を想う気持ちの延長線上にあります。原点を明確にすることで、世のため、人のために生きようとすることが出来るのです。大切な人のためにというひたむきな想いが志となり、行動を通じて志を伝播していく人が、このまちを照らす燈火となります。志をもつ人を1人でも多く増やしていくことで、まちに住み暮らすすべての人が幸せや豊かさを実感し続けられるようになっていくのです。

1915年、今から100年程前、アメリカのセントルイスの地でヘンリー・ギッセンバイヤーJr.というたった一人の熱き青年の想いによって青年会議所は誕生しました。その想いは日本に届き、戦後荒廃の中、「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志高い青年たちの手によって1949年に日本青年会議所が誕生し、瞬く間に日本全国に広がりました。1951年に豊橋青年会議所は全国17番目の青年会議所として「日本経済の正しき発展と世界平和の実現にいささかなりとも寄与する処あらん」という志をもって設立されました。たった一人の熱き想いが、世界中で人を、世界を変え続けています。つまり、私たち青年会議所は想いを伝播し、意識変革を行う団体なのです。誰かのためにという「与える人になる」という在り方になれば行動が変わります。自分の行動が変われば目に見える形で相手に想いが伝わります。それが共感を呼び、周囲の行動に影響を与え、世の中を巻き込む原動力となるのです。創始の想いを受け継いだ先輩諸兄の不断の努力によって積み上げられた歴史と、伝統と、信頼の上に私たちがいることに感謝して、その想いを未来へ繋いでいく行動が、明るい豊かな社会を創造して行くことに繋がります。想いの総量で未来が決まる。笑顔が響きあうまちを創るために、私たちは想いの醸成による人づくりを通じたまちづくりに取り組んでいきます。

 

LOMの未来を創るために

豊橋青年会議所は運動を通じて多くの成長が出来る機会に恵まれた団体です。また、このまちのために、国のために、未来の子どもたちのためにと、志を持って活動し、同志と呼べる仲間を作ることが出来る団体でもあります。より多くの仲間とまちのことを想い、更に魅力ある運動を展開するために、共感の和を拡げる会員拡大活動に取り組みます。そのためには、私たち自身の成長が必要です。豊橋青年会議所に入って自分の考え方やものの見方が変わった、JC活動で得た経験を会社に活かすことが出来たなど、多くの先輩方が経験してこられたことです。会員の成長なくして、青年会議所の存在意義はありません。私たち自身が組織運営を実践から学び、魅力溢れる事業を構築する過程で、人を巻き込む力を得て成長し続けなければならないのです。また、同志を多く募るためには、会員一人ひとりが積極的に青年会議所の魅力を発信していくことが大切です。繋がりのある会社・個人など身近な人に運動に参加していただくことで、豊橋青年会議所への共感が生まれて会員拡大に繋がると考えています。人は人でしか磨かれません。素晴らしい成長の機会をより多くの仲間と迎えるためにも、私たち一人ひとりが仲間を増やすという自覚と自信を持って会員拡大に取り組んでいきます。

LOMの最高意思決定機関とは総会です。会員の権利を行使する総会は、LOMの未来を決めるだけではなく、組織がより良くなるための仕組みである、P(PLAN:計画)D(DO:行動)C(CHECK:評価)A(ACTION:改善)サイクルのチェックと改善を行い、より良い活動へ繋げていく重要な役割を担っています。単年度制の中で、この組織成長のスパイラルアップを、私たちがどの様な意識で行うかにより、その成長速度は大きく変わります。総会の価値を再認識し、一人ひとりが総会に主体的に参加していくことで豊橋青年会議所を更に活性化させていく取り組みへ繋げていきます。そして私たちの想いを届け、活動への参加を募るのにはより多くの人へ届ける広報活動が非常に重要になってきます。様々なツールやメディアが増えたことで、マーケティングに基づいた発信がより重要になっているからです。情報発信の方法を時代に合わせ改善することにより、届けたい人に情報が届くということ自体が大きな価値となります。同じ内容でも誰に届けたいのか、ターゲットを想定して、更に楽しく、私たちの活動に参加したくなるような伝わる言葉、内容を意識し、LOMの情報発信強化に努めていきます。

豊橋青年会議所は委員会での活動を基軸として一年を通じて活動します。委員会内の結束が非常に強くなる一方、委員会以外の会員との交流が例会や総会など、限られたものになり、横の繋がりを作る機会が少なくなっています。また、所属年数が短くなっていることにより、会員同士が一緒に活動する期間も短くなっています。2019年の全国城下町シンポジウム全国大会に向けて、今こそLOM全員が交流を図り、会員同士の結束力を高める必要があります。多くのメンバーと共に活動していることの意義や楽しさを再認識し、LOM内の交流を活発にする取り組みを進めていきます。また、LOMを代表し出向して活躍している会員へのサポートも積極的に行っていきます。豊橋青年会議所を背負って出向していただく会員を応援する、その成長の機会を共有することが、今後豊橋青年会議所の活動機会の幅を決めるからです。青年会議所の醍醐味は何事も本気で行うことにあります。本気で行うからこそ、経験のすべてに学びがあり、人生のかけがえのない仲間との繋がりとなるのです。すべての会員が青年会議所活動に向き合い、自己成長の場を得るためにより良い会員の交流の在り方を考えて実践していきます。

 

地域の未来のために

「日本の主権者は国民である」これは憲法に記されていることであり、誰しもが知っている事実です。しかし、私たちは本当に主権について知っていて、主権者としての実感を持っているといえるのでしょうか。主権者とは、地域や国の課題を自分事と捉えて主体的に担う人のことです。そして国民主権とは国家の政治のあり方を最終的に決める権利のことであり、私たちは情報を集め、判断して選挙によって国のあり方を決めています。どちらにも共通しているのは自分が得た情報を元に判断しているということです。では、どの様な情報を元に判断をしているのでしょうか。一人ひとりが、まちや国と向き合い、様々な情報を集め、総合的に判断して貴重な一票を投じて意思表示をしていると言えるのでしょうか。そしてなぜ日本は投票率が低いままなのでしょうか。それは政治参加の意義や投票によって起こる未来の変化が読み取ることが難しく、得た情報から政治を読み解く方法を学んでないからと考えます。また自分の意図にあった情報だけを得たとしても、それがどの様な意図で発せられた情報で、発信された情報は信頼がおけるのか判断が難しいのもまた事実です。国際社会のバランスが崩れる激動の時代にあり、技術の進化により誰でも情報を容易に発信し得られる時代では、私たち主権者一人ひとりが情報を読み取り、活用する情報リテラシーと、政治を読み取り、活用する政治リテラシーを身につける必要があります。そのことで、主権者としての権利だけでなく、地域や国の未来を自分たちで切り拓く責任を持っていることに気づくことが出来るのです。主権者教育を通じて、何が出来るのかを考え、まちと、国の未来を創る取り組みを進めていきます。

2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在しない職業に就くといわれています。更に現在では、AI(人工知能)やロボット、VR(バーチャルリアリティー)、IoT(モノのインターネット)等による第4次産業革命を中心とした技術革新と、人口減少や仮想通貨の台頭という社会環境の変化によって、私たちをとりまく環境は大きく変っています。またその変化は地域や業種などは関係無く影響するために、すべての業種に環境の変化への対応が求められています。私たちの住む東三河は、全国有数の農業地帯であり、工業においても工業出荷額でも東三河だけで他県と比較出来るほどの規模を誇っています。また先端分野への取り組みにおいては、豊橋技術科学大学、愛知工科大学など、研究機関も揃っており、時代の先端を切り拓くポテンシャルを有した地域です。そして豊橋青年会議所は時代に合ったまちづくりの取り組みを模索して、実施することでまちづくりに貢献してきました。さらに活動の中で様々な団体や学校、行政と連携することで積み上げて頂いた信頼を元に、多くの団体と連携することが出来ます。だからこそ、私たちの特性とこの地域の特性を活かして、今までの既成概念にとらわれずに、この地域の技術革新の方向を探求して経済の発展に貢献していくことが必要です。経済の自立を目指すことは継続した社会の発展に必要不可欠なのです。自ら変わる者は、新しい時代の波に乗れるチャンスと時間を持つことが出来ます。豊橋青年会議所は、日本経済の自立と発展を目指して設立されました。今こそ私たちは一人の青年経済人として、また豊橋青年会議所の一員として、この東三河という地域から、明るい豊かな社会へ向けて、勇気を持って新たな地域づくりに挑戦をしていきます。

 

人の可能性を伸ばす

2020年、日本の教育が大きく変わろうとしています。「知識だけではなく自分で考えて表現する人間に育てる」という理念の元、人の特性を伸ばす教育を目指しています。答えがないと言われる時代において、将来のビジョンを立て、解決に向けて行動する能力が重要であるからです。一方で、道徳教育が義務化され、人として何が正しいのか、共通認識を持つことが重要になってきています。戦前の日本では修身の授業と国語の授業が重視されていました。「修身斉家治国平天下」修身とは古来中国の儒学四書「大学」で教えられる、一身の教養、人としての軸が天下の太平に通じるという考え方です。答えがない時代だからこそ子どもが社会で活躍するためには、日本人が大切にしてきた、人として大切なことを軸にする必要があるのです。将来のビジョンを描き、人としての軸を大切にしながら、実現に向けた行動を習慣として実行すること。それを子どもが習慣として実践するのには、大人も一緒になって学び成長する「共育」の姿勢が必要です。大人が将来のビジョンを持ち行動する姿は、子どもに将来への希望を与え、親が子どもと共に成長することで社会全体が向上していきます。より長期的に影響を考え、これからの社会で活躍する子どもたちを育成する取り組みを進めていきます。

青年会議所は恩送りの団体です。豊橋青年会議所の先輩諸兄は、自らの大切な時間とお金を使い、この社会が少しでも良くなるために活動を続けてきました。それは、先輩から後輩へ、有形・無形の財産として、このまちの至る所で見ることが出来ます。では、個人としてはどうでしょうか。人は誰でも生まれながらにして一人前ではありません。両親を始め家族、親戚、地域の方、恩師、友人、先輩など、多くの恩を受けて大人になっていきます。社会人になっても、多くのものを受け取って成長をしていきます。それはどうやって返せばいいのでしょうか。いえ、返せるものなのでしょうか。「受けた恩は石に刻み、かけた恩は水に流す」私たち一人ひとりが、受けた恩を忘れずに、それを少しでも多くして未来へ送ることが一番の恩返しになると考えます。社会を変える運動とは、難しい問題への取り組みや、大きな問題への取り組みだけではありません。自分が頂いた恩を、周りの人や次の世代へより良い形で残すことだと思います。そして社会運動を形にして継続して広げて行くには、市民の共感を得ることが大切です。そのためにも私たち自身が率先して人に喜んでもらう活動を行い、充実した時間を過ごすことこそ笑顔が響きあうまちへの道となるのです。

 

このまちの未来のために

第38回全国城下町シンポジウム全国大会を豊橋青年会議所が主管することが決まりました。これまで豊橋青年会議所は全国大会、愛知ブロック大会の主管を行いましたが、2002年の愛知ブロック会員大会から16年ぶりとなる大きな大会の主管となります。とよはしは、戦国時代は東三河の拠点として今川、武田、徳川の奪い合った場所であり、江戸時代は東海道五十三次の宿場町として、東西交通の要所として栄えてきました。本年度は開催の想いを行政や市民の方々に共感をいただき、とよはしが一体となって、城下町よはしの魅力を活かしたまちづくりを全国へ発信する体制を築かなくてはなりません。そして参加された方への「おもてなし」を通じて、この地域のために行動する市民を一人でも増やし、地域の活性化と市民意識の変革を実現させます。全国城下町シンポジウム全国大会の主管をする目的は、青年会議所メンバーのJC運動に関する意識の昂揚を図るためでもあります。2019年度の5月に大会が開催されるのは、2018年度には具体的な多くのアイデアを出し合い、シンポジウムで行う事業構築をする必要があります。そのために、会員一人ひとりが、この地域の未来を思い描き、事業の内容やプログラム、会場選定など、多くのアイデアを出し合う場をつくります。そして、多くの協力団体を巻き込む取り組みを進め、豊橋だからこそ出来る城下町の魅力を発信いたします。第38全国城下町シンポジウム全国大会が、この地域に祖先への感謝と地域への誇りを呼び起こし、これからのまちを担う行動する市民を一人でも増やす大会になるように共に進めていきましょう。

世の中が混乱すると、人は英雄を求めます。いつか素晴らしい人物が出てきて問題は解決するのではないだろうか。しかし、問題を自分事として捉え、困難に立ち向かい、解決に向けて行動をしている人たちがいます。それがリーダーではないでしょうか。豊橋青年会議所もその様な多くのリーダーを輩出しています。「LD(LEADERDEVELOPMENT)の豊橋」と言われるほど、リーダーの資質開発を積極的に推進してきたからです。DEVELOPMENTは本来、「発達」「発展」「成長」という意味です。豊橋青年会議所は「リーダーの発達・成長を促す」ことで、多くの人間力溢れるリーダーを輩出しています。青年会議所の仕組みは、人が成長し、将来社会で活躍するのに必要な人間力が磨かれる仕組みとなっているからです。それでは人間力の根幹とはなんでしょうか。その根幹は課題を解決するために情熱をもって取り組み、それが自らの喜びになっている人だと考えます。私たちの地域にはそのような多くの素晴らしい人間力に満ちた人財がいますが、その活動を地域で共有しているとはいえません。地域に潜在するこの地域を変えている人間力溢れた人財を発掘し、これからの日本を担う青年世代の若者に光を当てることで、人間力とは何かに気づく機会を創出していきます。多くの機会を得ることが出来る、青年会議所だからこそ出来る人間力の育成を進めていきます。

 

逆算思考で未来をつくる

豊橋青年会議所に入って、私が見た青年会議所の先輩達の背中は、本気の背中でした。遊びも仕事もJCも、本気でやるから面白い。仲間と一緒に活動する中で、一生懸命やるのが当たり前になっていきました。出向すると、豊橋だけではなく、全国に同じ志の仲間がいることを知りました。家族のために、このまちのために、国のために、未来の子どもたちのために、自分たちは何が出来るのか。真剣に考えて議論し、行動をする。本気の背中を沢山見せていただきました。豊橋青年会議所に入らなければ、私は今でも、現状を憂い、未来を憂い、誰かに求める人生になっていたでしょう。

未来にふさわしいビジョンを描こう

未来に想いを巡らせれば、すべきことは限りなくある

10年後、20年後の自分、家族、会社、まち、国の未来を描こう

私たちは今、時代のターニングポイントにいます。未来は、ずっと先にあるのではありません。未来は、今にあるのです。将来、実現したい何かがあるなら、今、そのために行動しなければなりません。私たちの未来は、私たちが切り拓く。出来るか出来ないかじゃない。やるか、やらないかだ。

志を高く掲げよう
大切な人たちのために、過去に感謝をし、想いを受け止め、お互いを高め合う。本気で取り組み、行動しよう。そして、最も充実した幸せな一年をともに創りあげよう。