理事長所信

2023年度 理事長所信

 

 

公益社団法人豊橋青年会議所 2023年度

第72代理事長   神尾 翔

 

想う 〜和を以て貴しとなす

 

『なぜ青年会議所が存在しているのでしょうか』

1949年、戦後間もない荒廃の中「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志を掲げ、国内経済の充実と国際経済との密接な提携が必要であるとし、それは自分たち青年が担っていくのだという責任感と使命感に駆られた青年有志により、日本の青年会議所運動は始まりました。そしてその理念は全国へと拡がり各地に青年会議所が誕生することとなり、1951年、この豊橋においても「日本経済の正しき発展と世界平和の実現にいささかなりとも寄与する処あらん」と掲げ全国で17番目に豊橋青年会議所が誕生しました。

日本青年会議所の設立趣意書を読み解くと、私たち会員は相互の啓発と社会奉仕を通じて、全世界の青年と提携しながら、常にその時々の経済社会に即した進むべき方向を示し、日本経済の発展に寄与することが目的とされています。そして豊橋青年会議所もこの目的に賛同し、同内容の設立趣意書をもって、日本経済の自立と発展、そして世界平和の実現に向けて邁進してまいりました。1960年には綱領が制定され、明るい豊かな社会を築き上げるという新たな行動目標が掲げられ、諸先輩方の英知と勇気と情熱をもった努力によって、日本は急激な成長を遂げ、高度経済成長期を経て世界有数の経済大国となりました。時代の変化と共により良い社会を目指し今日に至ります。

 

『私たちがするべきこととは。やり方は変えても、理念や目的は変わらない。』

時代と共に、ひとも手法も表現も変わりますが創始の志は変わることがなく、明るい豊かな社会を築き上げるという理念も不変ですが、明るい豊かな社会像は時代と共に変化しています。その像を示す現在のJC宣言において、今目指すべき明るい豊かな社会とは、多様性のある社会、すなわち輝く個性が生き生きと調和する社会と、持続可能性のある社会、すなわち未来を生きる世代が住みやすい社会とされています。また豊橋青年会議所においても2020年代運動指針が策定され私たち豊橋青年会議所が目指すところ、理念とするものは明確にあるのです。その理念をもとに社会をより良くすることを目指し運動を起こしていくのですが、そのためには人々の意識を変え、そして行動を変えていかなければなりません。

大前提として私が掲げるのはまちを想うひとがいなければまちにより良い変化は起こせませんし、相手のことを想うということができなければ意識を変革するなんてことはできないということです。私たちはなぜ豊橋青年会議所で活動をしているのでしょうか。社会をより良くするために、世界、日本、地域の現状を理解した上で、地域の課題を解決することでまちをより良くするのです。私たちが豊橋青年会議所を通してまちを想い、ひとを想い、青年会議所活動に意義や意味を見出し、自信と誇りを持ち、前向きに楽しく一生懸命になる。そうなることで地域に与えられる影響はより大きくなり、市民の意識を変革し、まちをより良くできるのではないかと考えています。ひととまち、そして私たちが元気に、笑顔に。一人ひとりが夢を、未来を、明るい豊かな社会を思い描けるように。私たちの手でそこに向かうストーリーの序章を創りましょう。

 

 

~思いやりが、ひとを、まちを、育てる~

2022年、ロシアによるウクライナへの侵攻によって世界情勢は混乱の一途を辿り、未だ途絶えることのないコロナ禍と相まって、社会経済への影響はもちろんのこと、私たちの生活や活動にも様々な影響を与えていることは事実であります。そこから目を背けることはできず、この激動とも言える時代をどのように生き抜いていくのか。青年会議所は市民の意識を変革する団体です。それにはまず私たち自身が意識の変革に向き合い、それを伝播させる器量が必要です。そのためには、まず私たち会員同士が思いやること、助け合うことが必要です。だからこそ、私はその土台づくりをしていきたい。その土台の上で青年会議所活動に取り組んでいただきたい。その上で、豊橋青年会議所として一生懸命に頑張る。また皆さんそれぞれができることへ一生懸命に取り組むこと。まちを、組織を、今よりもより良くし、そしてまた次年度へ渡す。これが単年度制である青年会議所においての不連続の連続であり、その過程において目指すべきものが、人々の意識を変化し行動を変えるという運動を起こすことです。

 

私たちは運動という「芽」を毎年植えつけているということです。そしてその運動(芽)が私たちの手を離れても継続(成長)していく仕組みづくりをするべきで、それには私たちが起こした運動(芽)に興味関心を持っていただかなければならず、それをさらに継続(成長)をしていただくということは、「想う」(想っていただく)ことが必要です。まちを想うこと、ひとがひとを想うこと、思いやりをもって生きること、それを青年会議所からまちへ、人々へと派生していきましょう。

和を以て貴しとなす。対話をもって調和しましょう。一緒に考えていきましょう。あなたが持つその色は唯一無二なのです。まちを想うこと、関わるひとのことを想うこと。そして一生懸命に行動をすること。これだけは忘れずにその色をより一層輝かせていきましょう。一生懸命に頑張っているひとが報われる組織、そのような世の中であってほしいと願います。

 

 

 

【豊橋のひととひととのつながりによるまちの活性化】

ここ豊橋という地域においても大都市周辺地域の流れが迫っており、現在では駅前の高層マンションを見てわかるように、ベッドタウン化への兆しがあります。職と住の分離がある中でも外部からひとが流入していることは好機であると捉え、地域での消費を活性化し、自立した経済循環を目指さなければなりません。市民の行動が活発化し地域経済の循環を活性化させるためには、ひととひととのつながりを構築することが必要であり、昨今は血縁、地縁のつながりだけで地域社会が成り立つ時代ではなくなり、外部からのひとも含めたひととひととのつながり、地域の縁を創りださなければなりません。多様な価値観や多様なひとがいるからこそ、これまでの豊橋という歴史の中で築かれた特色や、文化的価値などを通じて現代的なひととひととのつながりを生み出すことは、今、この豊橋に住むひとが地域を想い、地域愛が生まれます。地域に住むひとが地域の魅力を認識し地域愛を持つこと、それは豊橋の魅力を今よりももっと打ち出すことへもつながります。さらにはそれを外部へと発信していくことで関係人口、交流人口を増加させることになり、外部から来たひとにとっても豊橋という地域が皆にとって魅力的で安心できる生活圏として機能していくことでしょう。豊橋を想うひととひととのつながりを創り、市民の協調的な行動が活発化することで地域愛も育まれ、地域経済が循環したまちの活性化につながります。

 

【東三河の特色を活かした広域連携のさらなる強化】

「東三河はひとつ」という合言葉のもと、この地域は広域連携を推進しています。そしてこの「東三河はひとつ」という概念は既に構築されているものであるからこそ、その理念を強く打ち出し、広域連携の視点は三遠南信へと拡大させていくべきです。三遠南信という視点で見れば近い将来に訪れるリニア開通や三遠南信自動車道などもより身近なものとして様々な影響が考えられます。現在は、東三河としても豊橋が入り口になっているとも言えますが、これからはそれらが変化していくことも大いに可能性として考えられます。また東三河という地域においても少子高齢化や地域外への人口流出等の課題があり、それらには様々な理由が考えられます。現在、東三河という単位で考えた際に、8市町村それぞれがそれぞれの特色や文化的価値を活かし機能を果たしているのですが、この地域の未来に向けた可能性や、課題の解決を見据えれば、豊橋はその中心として、「東三河」という視点で各地域の魅力、その特色を捉えていかなければなりません。豊橋青年会議所としても東三河5JCのリーディングLOMとして、東三河という器でも率先して行動する必要があるのです。その上でまずは様々な視点を持ち合わせ東三河のリーダーとして、より一層東三河の広域連携を強固なものにしていきましょう。そして、東三河として未来を見据え、これから訪れる環境下において地域の特色を活かすことで東三河という地域全体が活性化することにつながります。

 

【豊橋青年会議所と地域の価値を高めるための心に届く広報】

未だ、青年会議所は飲み会団体だという声を耳にすることがあります。私たちは市民意識変革団体であり、まちをより良くしようと活動し、運動を起こすことを目的としています。地域の方や身近な方にも青年会議所の本質を理解されていない現状があります。発信はしているものの、市民の目に触れられる機会が少ないのはSNSや新聞など、媒体上での広報競争に負けてしまっているからではないでしょうか。しかし難しく考える必要はないのです。もっと市民の身近に、市民の目線に立った広報活動を。わかりやすく、多くの目に触れる方法を考え、私たちの運動を発信していきましょう。私たちは評価を求めるわけではありません。私たちがまちを想い、ひとを想い、地域をより良くしようという強い信念のもと活動をしていれば、きっと同志も、賛同していただける方も増え、そして、皆さんの周りにいる方にも理解をしていただけます。だから事実をもっと広く深くしっかりと伝えましょう。それが豊橋青年会議所の価値を高めます。さらに私たちは地域のリーダーとして豊橋を中心に東三河、三遠南信といった地域の情報を外部に発信することもミッションだと捉え、地域と豊橋青年会議所の魅力を思いやりのある情報発信によって人々の心に届けましょう。心が動けば行動が変わります。それは私たちが行う例会事業に対して多くの集客につながると共に、この地域の魅力発信による関係人口増加にも寄与し、青年会議所の本質を理解していただけることにつながります。

 

【地域を想う青年経済人の発掘】

青年会議所の使命として、「青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を与える」とあり、青年会議所は社会をより良くする運動を起こしていける能力と、人脈と、実績が得られる組織です。これらを得ることのできる機会を提供しています。だからこそ私たちは同志を増やしていく必要があるのです。全国の中でも企業数の多い愛知県内において、豊橋市の企業数は上位に位置します。私たち豊橋青年会議所はこの地域の青年経済人が集まる組織だからこそ、ビジネスの面でも有用な情報を共有するなど、会員同士も助け合い、そして地域の経済を見据えた上で、価値観、企業活動という視点から共に考え、地域の経済人を巻き込み、私たちだけでなく地域の企業が元気であるべきです。その上で、私たちを含む地域の企業が潤い安定することはもちろん大事なことですが、近年では三方よしと言われていた関係性も八方よしとも言われているなど、社会に求められる企業として利益追求だけが目的ではなくなってきています。そのような学びを地域に派生すると共に、会員拡大という視点を持ち合わせ、地域の青年経済人が成長する機会としてこの青年会議所が唯一無二な団体であることを自負し、この組織に集まる仕組みを構築していきましょう。地域を想う経済人が増え成長し企業が元気になることは地域経済が元気になることであり、事業が継承され雇用を生み続けることで地域経済は地域内循環で継続でき、自立した仕組みを構築することにつながります。

 

【地域経済を担う国際リーダーの育成】

情報産業の進歩により、地方でもグローカリゼーションと叫ばれていた時代が2000年以降に到来をしました。近年ではコロナ禍により、物理的なコミュニケーションや移動は制限され、さまざまな「分断」と直面しました。国際関係には顕著にそれが表れ、国際的なビジネス、旅行の機会は激減しました。しかし、地方の企業が中央を通さずに国際的な仕事をすることができる時代であり、愛知県、延いては豊橋においても海外に拠点を置く企業が非常に多い地域です。企業目線で言えば、国際競争力の向上こそ、地域経済にとって肝要であり、ローカルからグローバルに向かう際にグローバルスタンダードな価値観がローカル企業にも求められています。今後、国内の労働力にも外国人を頼らざるを得ない状況であることは、論を俟たないでしょう。だからこそ、アフターコロナと言われる新しい時代に向けて、国際意識を備えたリーダーを育成していく必要があります。同時に、人口減少による内需市場縮小が予想される中で、次代を生き抜くための国際的価値観は必要条件となっています。情報社会であるがゆえに島国である日本においてもできることはあるはずです。青年会議所が、行動を起こす青年の国際的ネットワークを牽引するというビジョンのもと、国際コミュニケーションを図り、グローバルとローカルを結びつけ、未来を大胆に描き、ひとを想うことで多様な価値観を認められる人材の育成をしましょう。地域経済を担うリーダーを育成することで持続可能な地域内循環の構築につながります。

 

【豊かな人間性を持った少年少女の育成】

コロナ禍によりマスクの着用が必然となり、子供たちは多感な時期に相手の表情が読み取りづらいなど、感受性を育む点に不安があります。またこの地域においても現在では小学校の部活動が廃止されるなど協調性を育む機会が減少しており、その社会的関係性の構築機会を模索している時期です。大人になれば正しいか正しくないかだけでは判断できないことも多く、多様性のある社会の中では尚のこと、利他の精神や他人の立場に立った行動ができる意識、協調性を醸成することが重要になっています。社会情勢や技術の革新により個人の資質や能力を向上する環境は整いやすいのかもしれません。だからこそ他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性を育むことに着目し、子育て世代が揃う青年会議所だからこその視点を持ち、「生きる力」を伝えていきましょう。豊橋は自歴史の中で築かれてきた文化的特色を有することや豊かな自然環境など恵まれた地域です。子供たちがそれらに触れる機会を創出し豊かな感受性を創出しましょう。そして対話と調和による協調、例えるならば、自分が投げたいボールを投げるのではなく、相手が受け止めやすいボールを投げるといったように、相手を想う気持ちを育み、共感し、どのように社会が変化しても必要なものとなる「生きる力」を育むことで、これからの未来を担う少年少女が健全に夢や希望を描けることにつながります。

 

【未来を担う子供たちのための地域教育】

現代では、核家族化や共働きすることが当たり前の時代に入り、一般常識や躾と言われる礼儀作法全般の教育までもが学校教育に求められ、その結果、学校教育の負担が圧迫しています。これを解決するためには地域の人々の力が必要です。近所付き合いや地域住民同士の関係性が希薄になり、地域社会が子供たちを見守るという機能がうまく働かない時代になっています。また住民同士の関係性が希薄になりつつあることは、交流の機会も減少し地域への愛着が失われていくことにも影響をします。今こそ、地域教育の価値を見返すべきであり、そのために必要なことは、地域住民同士の密な関係性と、子供に対しての教育ではなく、我々大人に対しての教育です。親が我が子と過ごす時間は大変限定的です。子供は多くの時間を親以外と過ごすことで自ら世界を広げ、家庭以外の価値観を受け入れ成長していきます。地域の大人が自分の子供以外にも気にかけ、見て見ぬふりをせず、思いやりをもって褒めることや叱ることをするなど、自分たちが子供の頃にしてもらっていたことを地域の未来に還元することで、健全な地域教育につながるのです。だからこそ、私たち地域の大人が住民同士でしっかりと関係性を築き、このまちを想うという地域愛をもって地域の未来を担う子供たちのために行動することで持続可能性のある地域となることにつながります。

 

【一人ひとりが前向きに一生懸命な活動をするための会員交流】

豊橋青年会議所では現在、在籍3年以下で卒業する会員が著しく増えています。ここではその是非を問うのではなく、同じ門戸を叩いた同志として活動する仲間との交流の機会を提供するべきだと考えます。それが会員益として必要なのです。普段の活動では交わらない会員との交流は個々の会員に対し刺激となり、新たな発見へとつながります。ひとはひとによって変化や成長を促され、会員間で「和を以て貴しとなす」を体現しましょう。機会の提供という意識を常に抱き、会員が自ら掴みに行きたくなるよう学びと楽しさへの期待感を醸成し、全会員同士が仲間意識を持ち出会いに感謝をし、助け合い精神のもと高みを目指していきましょう。品格ある青年経済人が揃う組織です。私たち一人ひとりが真剣に向き合い、一生懸命になれば、とてつもなく大きな運動も起こせるはずなのです。修練・奉仕・友情という三信条に則った中で思いやりを忘れずに結束力を高めましょう。ひととひとのつながりが地域を変えます。まずは会員同士が心を通わせ強い絆で結ばれれば、この組織はよりしなやかな団体となります。私たち一人ひとりが輝き、夢を描き、未来を描き、明るい豊かな社会の実現に抜けて前向きに活動ができるように。青年会議所活動に自信を持ち自己肯定感が育まれることで、それが私たちの周りにいる大切なひとや支えてくださるひとへも伝わり、より前向きな活動ができるようになるのです。それこそが私たちが社会を変える運動を起こしていくことにつながります。

 

【時代に即した組織を目指す】

2020年度日本青年会議所では、時代に即した組織に進化するため3つの約束が掲げられました。①家族を大切にできる組織、②会社の成長につながる組織、③社会をより良くする組織。豊橋青年会議所も、これらを個人のさじ加減に任せるのではなく、組織として時代に即した改革に取り組まなければなりません。変化を恐れず、これまでも変わり続けてきたことを誇りとし、良いところは伸ばし、そうでないところは変えることに挑戦をする。挑戦をすることで得られるもの、結果は成功か経験でしかありません。私が考える唯一の失敗は挑戦をせずに後悔をすることです。楽を選択するのではなく、時代に合ったやり方、未来を想い、最善の状態を考え、今よりもより良くするという視点のもとで取り組み豊橋青年会議所の価値を高めるという視点に基づいた進化をしましょう。挑戦をして結果を踏まえたその先は、また次年度を担う仲間たちが未来を想い最善の道を歩んでくれる。それを信じて、本年度は責任と覚悟を持って組織改革に挑戦をしましょう。すべてはこれからの組織を想って。それが私たちの残せる財産です。これからも豊橋青年会議所が地域から信頼され必要とされる組織であるために。

 

【未来を想うLOMの運営】

組織として運営する以上、規則や規律は必要です。定款や運営規定など目に見えるものもあれば、これまで豊橋青年会議所が歴史を刻んだ中での慣例として継続しているものも多くあります。まずはそれぞれを遵守すべく向き合うべきなのですが、LOMの下支えを担う役割はありつつもLOMの中枢を担う立場でもあります。ルールを守るではなくルールを作るという視点も持ち合わさなければなりません。変えたほうがいいものもあれば、変えてはならないものもあります。それを見極め、意味を提示し、品格のある団体を保たなければなりません。その中で楽しく笑顔で活動をしていくには規律や規則が必要なのです。青年会議所であるからこそ会議運営に関わる規則や公益社団法人としての財務管理、そして私たちは常に市民や他団体からも見られている立場であることを理解し、組織として外部を意識し内部を取り纏める渉外業務、それらを常に時代に沿った内容であるのかを考察しつつ、変える必要があると判断した場合にはその都度修正をしていけば良いと考えます。また総会の立案から運営といった欠かすことのできない担いについても、会員が自分の意志で議決権を行使しなければならず、それこそが血の通った組織になるということを全会員に理解していただくよう努めましょう。そして忘れてはならないこの単年度制という在り方において一年の決起と集大成の場を重んじ、そこで会員同士が出会いに感謝し、相互の啓発に基づいた学びにより青年会議所に所属する意義を感じられる場としていただきたいです。LOMを運営していく立場として、様々な視点から不変と可変を常に意識し、メリハリのある活動を下支えすることに尽力してください。組織を想う気持ちを忘れずに、心の通った組織の運営を。そしてそれは2023年度に限らず未来の豊橋青年会議所へとつないでいきます。

 

 

【終わりに】

私は2014年に入会しました。まさか自分が理事長職をお預かりすることになるなんて少しも想像していませんでした。私を豊橋JCに誘っていただいた先輩方、入会した私を迎え入れてくださった先輩方、誰しもが同じように思っていたのではないでしょうか。

 

9年間活動してきた中で、青年会議所活動と、仕事、家庭とのバランスが崩れたときもありました。そうした時には、青年会議所の在り方や、そこに所属している自分の在り方に悩み、青年会議所を続けていくことが困難であるのではないかと思ったこともありました。そうした中、父の会社にいながら青年会議所活動を続けることは、自責の念に駆られるような思いにもなり青年会議所での事業をきっかけに起業をしました。直後にコロナ禍へと突入したこともあり厳しい状況となりましたが、今もこの豊橋青年会議所で出会った同志や先輩方のお力を借りて会社経営にも励んでおります。妻、高校3年生の娘、高校2年生の息子、かけがえのない大事な時をもっと一緒に過ごすべきだったかもしれません。私と同じように、仕事への影響や家族との時間について悩んでいる方もいるかと思います。仕事はきちんとして、家族や大切なひととの時間も大事にしてください。

 

それでも私が一生懸命に頑張りたいと今思えるのは、青年会議所でのひととの出会いが私をここまで支え、成長させてくれたからです。これまでも私を突き動かしてきたのは、入会当時に教えていただいた責任感と使命感、そして今までに出会ったたくさんの顔が思い浮かぶからです。私を育てていただいた先輩方、そして私に付いてきてくれる、支えてくれる仲間、例会事業に参加していただいた地域の方々、行政、関係諸団体の皆さま、本当に多くの出会いがあり助けていただきました。私は出会いにより青年会議所に価値を見出しているのです。皆さんに出会えて本当に良かったと思っています。だからこそ私にかけがえのない出会いを与えてくれたこの組織に恩返しをすると共に、皆さんが青年会議所に入って良かったと心から思い、一生懸命に活動をしていただけられる環境づくりに尽力します。青年会議所は一生懸命に取り組めば必ず自分にも返ってくるものがあります。共に頑張りましょう。共に成長しましょう。

 

そして、その活動の原点となる私たちの使命を忘れてはなりません。「なぜ青年会議所が存在しているのでしょうか。」冒頭で投げかけさせていただきました。今一度、豊橋青年会議所の価値を、存在意義を高めましょう。この組織をもっと良くできます。まちを今よりもっと良くできます。周りのひとたちを笑顔にできます。諦めたり手を引いたり妥協をすることは簡単です。でもその場ではいいかもしれませんが、次の世代はどうなるのでしょうか。まちやひとやこの組織の未来を想い、私たちが前向きに一生懸命に楽しく笑顔で活動することが運動となります。きっとより良い未来につながることを強く信じ、進んでいきましょう。私たちなら必ずできると信じています。

 

過去に執着せず、未来を恐れず、まちを想い、ひとを想い、今を一生懸命に生きましょう。